ハイフ(HIFU)の効果の科学的根拠②

ハイフ(HIFU)

前回に続いて、ほうれい線に対するハイフ(HIFU)の効果性について、HIFUに関する学術論文をもとに探っていければと思います。HIFUは皮膚の深部で小さな熱傷を作り出し、熱によるコラーゲンや組織の収縮を引き起こすことができます。ただ、その熱によって、皮膚をはじめとした組織に栄養を供給する血管や、そもそもコラーゲンを作り出す細胞に問題が生じないのかについては非常に気になる点です。今回はその点にフォーカスして論文を調査しました。

HIFUの効果に関する論文

ハイフ(HIFU)の効果に関する論文はこちら

2015年の報告になります。

Comparative histometric analysis of the effects of high-intensity focused ultrasound and radiofrequency on skin

J Cosmet Laser Ther. 2015;17(5):230-6. doi: 10.3109/14764172.2015.1022189.

合計33名の患者『27歳から76歳(平均、49.5歳)で、性別は女性31名、男性2名』を対象に、HIFU(ウルセラ)を当てた後に真皮の各層(真皮乳頭部、網状真皮の上部、中部、深部)で新しくコラーゲンがつくられるかを調べた内容(トリクローム染色というコラーゲンを可視化する染色法を用いて、画像解析ソフトによって面積の割合を算出)です。

「HIFUを当てる前」と「HIFUを当ててから2ヶ月後」のコラーゲンを組織学的に分析をしたところ、網状真皮の中層と深層で新しくコラーゲンがつくられていることがわかりました。

この結果 HIFUは真皮の深い部分に対して作用してコラーゲンの産生に影響を与えることがわかり、効果的なスキンタイトニングに関する結果を示したという報告をしています。

ハイフ(HIFU)に効果があるのか

本試験は組織学的な調査ということですが、対象が顔面ということもあり、2mmの組織で局所的な観察をしています。HIFU照射前後の組織を採取していますが、染色の仕方によってばらつきが生じてしまうため、限られた結果を見るのみでは本当にコラーゲンが増えているのかを判断するのは難しいなぁという印象でした。それは、照射と未照射の境界線を見せてないからだと思います。

仮に、この論文の結果がその通りだとして、それがほうれい線を改善するような効果があるかどうかまでを知ることはできません。真皮の深部にHIFUが影響を与えることは分かりましたが、その下部にある脂肪組織、さらにはその下部にある筋膜に影響を与えているのか?与えているとするならどの程度はどれほどのものか(たるみが改善するほどの効果がでるのか)?興味があるところです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました